ゼネコンにおける構造物長寿命化への取り組みと その現状について
中西氏は、ゼネコンの立場で構造物長寿命化への取り組みとその現状について話されました。構造物維持補修における業界を取巻く外的環境は、事業費の縮減や維持修繕工事費比率の増加、社会資本ストックの増大や社会基盤の高齢化、長期化する景気の低迷とのことです。業界内部では維持補修の必要性について認識はあるが、経営基盤の弱体化や余剰人員の増加などにより対応する余力が不足しているのではと言われています。建築分野ではリニューアル事業部がしっかりしているが、土木分野では取り組み方を模索している状態のようです。また、水中橋脚の耐震補強や農業用溜池の導水路トンネル補修など事例を紹介されました。今後、維持管理、保全事業における建設会社の役割を明確にし、建設業界が安心して社会基盤整備に傾注できる体制作りを願っているとのことです。
前田建設工業㈱ 九州支店 中西 隆夫氏