レーザースキャナーによる施工管理に関する一考察
江里口氏は、情報化施工の流れに基づき期待される効果について説明を行い、レーザースキャナーを用いた施工現場での出来形管理、品質管理、監督検査等の効率化について、今回実施した実験結果を基に考察をされました。現場実証実験では、材質の違いは認められず、測定距離200m 以内では誤差50mm 以下であり、300m では入射角による影響が大きく、45°以上の入射角による測定が望ましいことが判明しました。現場計測実験は、災害対策現場を対象とすることが適切と考え、長崎県の水無川砂防堰堤護岸で実施されました。
その結果、数量計算ではレーザー発射間隔を0.15°以下とすればトータルステーション並の結果が得られ、計測距離200m ではトータルステーションの2m 間隔での平均断面法相当、300m では、トータルステーション2m 間隔の平均断面法相当の算出が可能でした。今後、レーザースキャナーで計測可能な現場条件や施工管理を検討し、最終的に監督検査業務の手助けとなることを目指しているとのことでした。
九州地方整備局九州技術事務所 江里口貴生