新幹線整備とその技術
高久氏は,「新幹線整備とその技術」というテーマで, 新幹線整備についてと新幹線建設における技術面での 工夫・配慮について話をしていただきました。その中 で,新幹線の定義や建設の流れ,建設決定に至るシス テムや地方との関係,整備新幹線の進捗状況など,通 常ではわからない情報が盛りだくさんでした。また, 駅舎のデザインに関するコンセプトや地元意見の反映 など各駅毎に違いがあり,かなり個性的であることも わかりました。九州新幹線は橋梁も多く,沿岸環境や 景観に配慮したものが多くなっています。ケーブルの 色までも検討されているそうです。技術面での検討で は,久留米駅近くの松原跨線橋での狭隘な空間に架設 する小型横梁回転架設工法の開発および採用,片押し 施工区間が長い筑紫野高架橋での門型クレーン採用, 大型移動支保工による場所打ち PC 桁など高度な技術力 を駆使した事例を紹介されました。最後に,希少生物 へ配慮した橋梁の施工例と,環境型社会への貢献例を 示して新幹線建設における環境への取り組みを話され ました。
(独)鉄道運輸機構九州新幹線建設局次長 高久 寿夫