産学官建設技術交流会とは

産学官建設技術交流会は、九州における産業界、大学等、及び行政の関係者がオープンな形で集い、情報交換、意見交換等の活動を通じ、建設分野における新技術の開発、活用、普及の推進並びに産学官で共有する技術課題の克服等に寄与することを目的として設立された組織です。
産学官で協働の事務局を構成し、各機関等からの研究発表や共有する技術課題の意見交換等を中心とした交流会を年4回程度開催しております。

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話題提供

硫酸性地盤における基礎コンクリートの劣化について

九州大学名誉教授 松下 博通氏

松下氏の講演では、福岡近郊のぼた造成地盤における住宅束石コンクリートや布基礎コンクリートの劣化状況をもとに、原因究明した結果を報告されました。コンクリート劣化の主な原因は、硫酸イオンであり、特に地表面付近で硫酸イオン濃度が高いこと、コンクリート表面やひび割れ内部に生成された白色物質の成分分析結果、土中水や風通し、降雨の影響などにも言及されています。また、劣化状況調査結果と供試体による実験から、硫酸イオンは土中からコンクリート表面に沿って立ち上がることや、地表面から30cm 以下の範囲に限定されること、及びその理由についても解明され、遮蔽物の設置や床版下への全面シート張りにより劣化防止が可能なことを提案されました。最後に、九州地域の地層年代や炭坑の存在、地下水や土中温度などを基に、コンクリート劣化に関するハザードマップ
を作成中であることも報告されました。

九州大学名誉教授 松下 博通氏