地盤技術の新たな展開に向けて
落合氏の講演では、他の材料と異なり力学ベースに載らない地盤に於いては、設計における実際のモデルの乖離性を如何に縮めるかが重要であり、調査と設計の初期段階からの連携や、地盤等の変形を許容するという発想の転換による経済性向上について話をされました。地盤は人工材料と異なり、力学はあくまで目安に過ぎず、現場を観察しながら修正を加えていく情報化施工が重要であるということです。また、社会の複雑化、多様化により、併用技術による対応もこれから必要とされることを、杭と地盤改良、壁式地盤改良と浅層改良の例を挙げ説明されました。最後に、地盤工学は地盤技術の知識を体系化したものであり、総合的に見ることが重要で「群盲、象をなでる」となってはいけないと話を結ばれました。
九州大学名誉教授 落合 英俊氏